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1.「合法ハーブ」で病院搬送…嘔吐や意識障害
2.動くがん追跡、治療 島津製と北大、システム共同開発
3.野出佐大教授ら、糖尿病抑制するタンパク質を解明
4.がん遺伝子に転移抑制機能 名古屋大教授ら仕組み解明
5.膵炎予防につながる因子 長崎大グループが確認
6.肺腺がん遺伝子:転移抑制の機能 名大教授ら発見
7.アロマキャンドルや芳香剤がアレルギー症状を誘発、米学会
8.歯石除去は心臓病リスクも下げる、台湾研究
9.「親切遺伝子」の有無、初対面でも判別可能 研究
10.個別指導で開業医自殺、厚生局に疑問 - 新潟県医師会副会長・吉沢浩志氏に聞く◆Vol.2
11.コーチングを活用して医療界のマネジメントを変えたい
12.高額療養費制度の見直しも危うい状況に
13.非心臓手術の前に行う心エコー検査は予後を好転させない
14.ヘルスケア施設関連C. difficile感染と保菌、宿主因子と病原菌因子が異なる
15.第VIII因子インヒビター重症血友病A患者に対するAICCの予防的投与戦略
16.iCasp9で、細胞治療が安全に
17.病院の減量プログラム、効果小?
18.前立腺癌、ADT+RT併用が効果大
19.進行腎細胞癌、有望な新治療薬
20.ivacaftor、肺機能改善に効果
21.熱傷の輸液量、中等症から不足
22.独居8割は自力受診できず
23.Liver implant gives boy 'another chance of life'
24.9/11 First Responders May Face Greater Heart Risks
25.Study Finds Link Between Low IQ, Large Waistline
26.Alcoholics More Likely to Die of Cancer: Study
27.Whole-Body Vibration Doesn't Build Bone After All: Study
28.High Doses of Statins Tied to Less Arterial Plaque in Study
29.Got High Blood Pressure? Kiwi Fruit May Help
30.Heart Patients Using Vitamins May Take Meds Improperly
31.Pneumonia Most Common Infection After Heart Surgery
32.Low Vitamin D May Increase Stroke, Heart Attack Risk in Women
33.No Benefit From Niacin for Heart Patients in Study
34.Cholesterol Drug Shows Promise in Early Research
35.病院報告(平成23年7月分概数)
36.中央社会保険医療協議会 総会(第206回)
37.中央社会保険医療協議会 薬価専門部会(第73回)
38.平成23年度第1回診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会
39.プレスリリース
1) 北大と島津が「次世代高精度放射線治療のための新動体追跡システム」を開発
2) 「入院患者の持参薬の取扱い」の調査結果について
3) 身体への負担が少ないがん粒子線治療装置
4) 次世代陽子線がん治療装置開発に関する包括的共同研究の成果を発表
****************************************1.「合法ハーブ」で病院搬送…嘔吐や意識障害
読売新聞社2011年11月16日
幻覚などをもたらす「脱法ドラッグ」のうち、「合法ハーブ」と呼ばれる商品が若者らの間で急速に広まり、京都府内で今年に入って9月末までに、19人が使用後に病院に搬送されるなどして治療を受けていたことが15日、府警の調査でわかった。
嘔吐や意識障害を引き起こしたケースもあり、府警は摂取しないよう注意を呼び掛けている。府警によると、脱法ドラッグに関し、警察が実態を調べるのは異例という。
府警の発表では、合法ハーブを使用して搬送されるケースが今夏、府内で相次いだため、警察署を通じて実態を調査。その結果、1~4月に搬送者はなかったが、5~9月に17~41歳の19人(男性16人、女性3人)が救急搬送されるなどしていたことが判明。うち16人は京都市内だった。
合法ハーブは、乾燥させた葉のようなもので、火を付けて専用のパイプなどで吸い、大麻に似た使用感が得られるほか、興奮作用を持つものもあるという。
これまでに薬事法上の指定薬物となったものもあるが、化学構造式を一部変化させて規制を逃れている商品も多い。府内では現在、木屋町などの繁華街のほか、幹線道路沿いなどに合法ハーブを扱う店が7店あり、19人のうち12人はこうした店で購入、3人がインターネットで入手し、残り4人は府内の路上で譲り受けるなどしていた。
脱法ドラッグを巡っては、2006年7月、大阪で服用した大学生がマンションから飛び降りて死亡したほか、04年7月には、東京で使用した男が錯乱状態になり、同居女性を刺殺するなどの事件が発生。府警組対3課は「調査で判明したのは氷山の一角。さらに深刻な健康被害が出ている可能性もあり、安易な摂取は控えてほしい」としている。
2.動くがん追跡、治療 島津製と北大、システム共同開発
共同通信社(京都新聞社)2011年11月16日
北海道大と島津製作所(京都市中京区)は16日、がん組織のみにピンポイントで放射線を照射して治療するシステムを開発した、と発表した。呼吸するたび動く肺や肝臓などの臓器にできた腫瘍の位置をとらえ、正確に照射できるという。
新システムは、既存のエックス線治療装置と組み合わせて使う。腫瘍近くに複数埋め込んだ金マーカー(直径2ミリ)の位置をエックス線透視装置でリアルタイムで把握。放射線の照射位置は固定されており、マーカーが予定位置にきたときだけ腫瘍に照射する。
これまでの腫瘍の移動範囲すべてに照射する方法に比べると、照射体積は2分の1~4分の1となり、正常な組織への照射を減らせるという。
今後、ピンポイント照射の精度向上を図り、2012年度の商品化を目指す。
3.野出佐大教授ら、糖尿病抑制するタンパク質を解明
共同通信社(佐賀新聞社)2011年11月16日
佐賀大学医学部循環器内科の野出孝一教授らの研究グループは、細胞の炎症を抑えるタンパク質が、糖尿病の原因である膵臓の慢性炎症の抑制に効果があることをマウス実験で解明し、米国病理学会誌電子版に発表した。グループは「従来の治療薬は対症療法だったが、糖尿病の発症原因に直接効く新薬開発につながる」としている。
糖尿病は、血糖を下げるインスリンというホルモンの作用が低下し、血糖値が異常に高くなる病気。インスリンを分泌する膵臓の慢性炎症が、糖尿病の進行に関与していることが分かっている。
研究グループは、細胞レベルで炎症を抑制するタンパク質インターロイキン(IL)27に着目した。遺伝子操作でIL27が働く受容体を欠損させたマウスと、IL27自体を欠損させたマウス、普通のマウスの3種類に、人工的に糖尿病を発症させ、IL27を投与。受容体の欠損マウス以外の2種類は膵臓の炎症やインスリンの分泌、血糖値が大幅に改善した。2004年から200匹以上のマウスで実験し、IL27が糖尿病を抑える有意なデータを得た。
これまでの糖尿病薬はインスリン分泌促進薬かインスリンの感受性を高めるタイプしかなく、直接インスリンを注射しても、十分に血糖をコントロールできなかった。研究グループは、すでに大手製薬会社と共同でIL27の受容体を活性化する薬の研究を進めている。
糖尿病は、動脈硬化によって脳梗塞や心筋梗塞など深刻な合併症を引き起こすが、研究グループはIL27がこれら血管の炎症も抑制することを実験で確認しており、来年3月の日本循環器学会で発表する予定。野出教授は「新薬は糖尿病自体にも、合併症にも効果があり、経口薬で患者への負担も少ない。大動物への応用や治験を経て、5~10年後の実用化を目指したい」と語る。
4.がん遺伝子に転移抑制機能 名古屋大教授ら仕組み解明
共同通信社2011年11月16日
「肺腺がん」を引き起こす悪性のがん遺伝子に、がん細胞の転移を抑制する機能があることを名古屋大の高橋隆教授らの研究チームが発見し、仕組みを解明、15日付の欧州科学誌エンボジャーナル電子版に発表した。
肺腺がんを引き起こす遺伝子「TTF―1」が「ミオシン結合タンパクH」という遺伝子を働かせている点に着目。この遺伝子が作るタンパク質が、リン酸化酵素と結合し、細胞骨格を変化させる「ミオシン」の活性化を抑制し、がん細胞の転移を抑えることが分かった。
高橋教授は「ミオシン結合タンパクHの働きを持つ薬が開発できれば、肺腺がん転移抑制が期待できる」と話す。
5.膵炎予防につながる因子 長崎大グループが確認
読売新聞社2011年11月16日
長崎大医歯薬学総合研究科の松山俊文教授らのグループは、ウイルス感染などを防ぐたんぱく質「インターフェロン」の作用を伝える「インターフェロン制御因子2」(IRF2)が、急性膵炎(すいえん)の原因となる消化酵素「トリプシン」の発現を抑えることを突き止めた。研究が進めば、急性膵炎の予防法の確立などにつながる可能性があるという。
トリプシンは膵液に含まれており、何らかの原因で活性化して膵炎を引き起こす。膵炎は50歳代での発症が多く、自覚症状がほとんどないため重症化しやすい。特発性膵炎は難病にも指定されている。
松山教授らは実験で、IRF2が作用しているマウスと、IRF2を欠損させたマウスを比較。作用しているマウスは、トリプシンに変化する前駆体の発現がほとんど見られなかった。これに対し、欠損させたマウスには、作用しているマウスの1000倍以上の前駆体が確認された。
インフルエンザウイルスはトリプシンによって感染性が高まることが知られており、今後の研究でウイルス感染のメカニズムや、膵炎と膵臓がんとの因果関係の解明も期待されるという。
松山教授は「膵炎は発症後にトリプシンの働きを阻害する薬で治療しているが、インターフェロンによる予防法が確立できる可能性も出てきた」と話している。研究の成果は医学誌「米国科学アカデミー紀要」の電子版に掲載された。
6.肺腺がん遺伝子:転移抑制の機能 名大教授ら発見
毎日新聞社2011年11月16日
「肺腺がん」を引き起こす悪性のがん遺伝子に、がん細胞の転移を抑制する機能があることを名古屋大の高橋隆教授(分子腫瘍学)らの研究チームが発見し、仕組みを解明、15日付の欧州科学誌エンボジャーナル電子版に発表した。肺腺がんを引き起こす遺伝子「TTF-1」が陽性の患者は、陰性の患者と比べて手術後の生存率が高いことが知られていたが、その仕組みは分かっていなかった。
グループは、TTF-1が「ミオシン結合たんぱくH」という遺伝子を働かせている点に着目。この遺伝子が作るたんぱく質が、リン酸化酵素と結合し、細胞骨格を変化させる「ミオシン」の活性化を抑制し、がん細胞の転移を抑えることが分かった。高橋教授は「ミオシン結合たんぱくHの働きを持つ薬が開発できれば、肺腺がんの転移抑制の新たな戦略が期待できる」と話している。
7.アロマキャンドルや芳香剤がアレルギー症状を誘発、米学会
AFPBB News2011年11月16日
もしも、あなたが目のかゆみ、鼻水などのアレルギー症状に苦しんでいるなら、その原因はほこりや花粉ではなく、アロマキャンドルや芳香剤にあるのかもしれない。
前週、開催された米国アレルギー・ぜんそく・免疫学会(ACAAI)の総会で、アレルギーのある人たちは本人たちが考える以上にアロマキャンドルや芳香剤などに過敏に反応する可能性があるとの見解が発表された。
ACAAIのスタンリー・ファインマン(Stanley Fineman)次期代表は、芳香剤やキャンドルは「アレルギー症状を誘発したり、既存アレルギーを悪化させるうえ、ぜんそくを悪化させる危険がある」と、同学会の声明文で述べた。
ファインマン氏によると、芳香剤の香りは「爽やか」に感じられるかもしれないが、こうした製品の多くはホルムアルデヒド、石油蒸留物、リモネン、エステル、アルコールなどの揮発性有機化合物(VOC)を含んでいる。VOCは、小児ぜんそくリスクとの関連性が指摘されている物質だ。そのうえVOCは、目や気道の炎症、頭痛、めまい、さらには記憶障害を引き起こす危険性もあるという。
また、「天然成分100%」をうたった製品や無香性の製品でも、有害な化学物質を放出する可能性があるという。
ファインマン氏は、こうした危険を避ける最善の方法は「芳香剤が発する汚染物質にさらされないことだ」と語った。言い換えれば、ラベルに「グリーン」や「オーガニック」と書かれていようが、芳香剤やアロマキャンドルは一切使わず、窓を開けて換気することがベストということだ。
8.歯石除去は心臓病リスクも下げる、台湾研究
AFPBB News2011年11月15日
定期的な歯石除去は歯を美しくするだけでなく、心臓発作や脳卒中のリスクも下げる可能性があるとする研究結果が、13日に米フロリダ(Florida)州オーランド(Orlando)で開かれたアメリカ心臓協会(American Heart Association、AHA)の学会で発表された。
台湾の台北栄民総医院(Taipei Veterans General Hospital)の研究チームは、10万人以上を平均で7年間にわたって追跡した。
その結果、歯科医または歯科衛生士に歯石を除去してもらったことがある人は、一度も除去してもらったことがない人に比べ、心臓発作リスクが24%、脳卒中リスクが13%、それぞれ低かった。少なくとも1年に1回、歯石除去を受けている人は、どちらのリスクも目立って低くなった。
研究者は、専門家による歯石の除去で、心臓発作や脳卒中につながる炎症を引き起こすバクテリアの増殖が抑えられるためではないかと見ている。
9.「親切遺伝子」の有無、初対面でも判別可能 研究
AFPBB News2011年11月15日
特定の遺伝形質を持っている人は、持っていない人より、親切で思いやりがある。見ず知らずの人も、この遺伝形質の有無を即座に判別することができる――。こうした実験結果が、14日の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)に発表された。
この違いは、オキシトシン受容体遺伝子(OXTR)に関連しているという。この遺伝子はセックスの最中に発現することが多く、愛情や共感や社会的行動を促すことから、「愛情ホルモン」とも呼ばれる。
米オレゴン州立大(Oregon State University)の研究チームは、23組のカップルの遺伝子型を測定した上で、実験を試みた。カップルの片方に、これまでの人生で辛かった経験をもう片方に語ってもらい、この様子をフィルムに収めた。
そして、カップルとは面識がなく、カップルの遺伝子型も知らない実験参加者らに、音を消したフィルムを20秒間見せ、「聞き手」を観察してもらった。
なお、カップルのオキシトシン受容体遺伝子のDNA配列「rs53576」は、GG型、AG型、AA型のいずれかのタイプだった。
一般的に、Gの対立遺伝子が2つある「GG型」の人は共感力が強く、信頼でき、愛情も深い人だと見なされている。反対に、AG型またはAA型の人(A型)はポジティブな言動が少なく、親としての感受性も低い傾向がある。A型で自閉症リスクが高くなる可能性を示した研究もある。
■「親切」遺伝子の有無、他者も正しく判別
実験の結果、観察者は、ほとんどのケースで、被験者の遺伝子型がGG型か、それ以外かを見極めることができた。
観察者が「最も信頼できない」という印象を持った10人のうち、9人の遺伝子型がA型。「最も社会性がある」という印象を持った10人のうち6人がGG型だった。
論文を執筆したカナダ・トロント大(University of Toronto)のアレクサンドル・コーガン(Aleksandr Kogan)氏は、「以上の結果は、遺伝子のごくわずかな相違でも行動面に目に見えるような影響を及ぼしうること、そして、こうした行動の違いに他者は即座に気付くことを示している」と述べた。
ただし、人間の振る舞いを完全に予見できる遺伝形質というものは存在しないため、遺伝子型の相違が、振る舞いの根底にある生物学にどのような影響を及ぼしているかを探る必要があるという。
10.個別指導で開業医自殺、厚生局に疑問 - 新潟県医師会副会長・吉沢浩志氏に聞く◆Vol.2
「今後も問題点があれば継続的に訴えていく」
M3 2011年11月16日
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